Notionはチームのあらゆる種類の作業の記録を支援しますが、Notion AIも同様の基盤を持ち、あらゆる思考スタイルに適応します。Notion AIは、後付けされたワンパターンなものでありません。プロダクトのコアアーキテクチャの一部として、ユーザーの作業のやり方に対応するように設計されているため、ユーザーがNotion AIの機能に無理に合わせる必要はありません。
タスクに適したモデル
Notion AIのアーキテクチャは、「常にその作業に最適なモデルを使用する」という、シンプルでありながら強力なコンセプトをベースにして構築されています。タスクによって、必要となる機能も異なります。深いレベルの推論が必要な場合もあれば、速度と効率が求められる場合もあります。
タスクをカテゴリー別に分類し、品質、遅延、コストを考慮して各モデルに割り当てます。たとえば、次のようなユースケースが考えられます。
製品仕様書では、明瞭で構造化したコンテンツの作成が必要なため、長文の生成と一貫した表現の維持に優れた、高度な推論モデルを採用します。
過去の決定に関する質問に回答するには、ワークスペースの履歴を調査し、情報源を引用する必要があります。このような用途では、大きなコンテキストウィンドウを持ち、広範囲の推論を行うモデルが最良の性能を発揮します。
プロジェクトトラッカーでのフィールドの自動入力は、生成時の推測の量は多くなりますが、それほど複雑な推論は必要ありません。このような場合は、コスト効率に優れた特殊な微調整モデルを使用します。このモデルは遅延を半減し、出力品質を改善しますが、この両方に対応するモデルは多くありません。
“Notion AIは、単にキーワードを検索するだけではなく、ワークスペースの実際の構造や関連性を理解します。”
迅速な開発に対する高速なフィードバック
弊社のモジュール式スタックには、独自のLLM-as-a-judgeシステムが採用されており、迅速な反復と継続的な評価が可能です。このシステムは、QA(品質保証)の専門知識、プロンプトエンジニアリング、プロダクト思考を兼ね備えた複合的な役割を担当する、AIデータスペシャリストによって運用されています。
これらのスペシャリストは、各機能に対して固有の評価基準を設計し、さまざまな状況で判定モデルが評価すべき点を正確に学習させます。また、ベンチマークテストだけでなく、ユーザーが実際にNotionをどのように使用しているかを参考にしながら、実際のユーザーの行動からパターンを発見し、プロンプトを改善しています。
OpenAI、Anthropic、Google、オープンソースコミュニティなどで新しいモデルがローンチされた場合、社内でそのモデルを評価し、導入することができます。また、このような評価は1回限りではなく継続的に行われるため、リグレッションを早期に発見し、改善点を検証するほか、スタックの進化に合わせて高い品質を維持することができます。
こうした仕組みによって、AIモデルの速度と深度の両方を実現し、数十のモデルと数百のプロンプトで、確実に品質を改善することが可能になっています。
ブロック構成の利点
Notionのブロックベースのアーキテクチャは、ほとんどのツールにはない深く構造化されたコンテキストを提供します。すべての段落、タスク、データベースの項目が1つのブロックとして構成され、豊富なメタデータと関連情報を有しています。この構造は単に整理だけが目的ではなく、よりインテリジェントなAIの基盤としての役割を果たしています。
たとえば、従来の文書では「4月30日」は単なる文字列に過ぎません。しかしNotionでは、Jane Smithというユーザーに割り当てられたタスクブロックに関連付けられた「期限」プロパティとして扱われます。そのため、「マーケティングに割り当てられたタスクで遅れているものは?」と質問すると、Notion AIはキーワードを検索するだけでなく、ワークスペースの構造や関連性を理解します。
その結果、より正確な回答が得られるだけでなく、まったく新しいワークフローが実現します。AIによって、完成されたプロジェクトトラッカーを構築したり、各チームの進捗状況をまとめたり、実際のデータを使用してロードマップについて推論したりすることができます。つまり、AIは、ユーザーの作業を示す構造化されたグラフに合わせて動作するということです。
このように構造化された基盤があれば、スマートなモデルルーティング、迅速な評価、そして単に付け足しただけではない、本当の意味で統合されたAIなど、あらゆるワークフローが可能になります。ユーザーのプロダクトがモジュール化されていれば、AIが推測する必要はありません。推論・適応を実行し、確実に迅速な作業を支援します。
ぜひあなたのワークスペースでNotion AIをお試しください。